一年の終わりと「こよみのよぶね」

あなたの過ごした十二か月はどんな毎日でしたか?


「こよみのよぶね」をご存知でしょうか。

それは、冬至の夜に長良川に浮かぶ巨大な行灯たち。

それは、十二か月でいちばん長い夜に過ぎ行く一年へ思いをはせること。


一年の終わり、冬至の夜に長良川には1から12の数字とその年の干支をかたどった、巨大な行灯が浮かびます。「清流の国」とも呼ばれる岐阜では、古くから川文化に育まれた工芸・産業が栄えてきました。千年以上の歴史を誇る美濃和紙や、提灯、和傘づくり。 長良川鵜飼も、1300年以上の歴史を数えます。そんな岐阜の伝統文化を背景に、和紙と竹でつくった巨大な行灯を鵜飼船に載せて、長良川に流し、過ぎゆく1年に思いをはせる――それが「こよみのよぶね」です。

岐阜市出身のアーティスト、日比野克彦さんの発案・呼びかけで2006年から始まったこよみのよぶねは、今年で13回目を迎えます。時をあらわす1~12の数字と干支の行灯は、毎年、さまざまな地域から名乗りを上げた市民グループがそれぞれ担当、思い思いのデザインを描くところからはじまり、数か月をかけて制作していきます。


「長良川って、僕ら岐阜で育った人間にとってはアイデンティティの一部というか、心の拠りどころになってる気がする。」(日比野さん)


厳しく冷たい風が吹きつける冬の長良川にずらりと並ぶ行灯の姿は、言葉にしがたい美しさがあります。夏には鵜飼でにぎわう長良川。冬にはよぶねを見る人びとが集います。

そんなこよみのよぶねの行灯制作、コミュニティハウスおかってとしての参加が決定しました。おかってが担当するのは「4月」。2019年の4月といえば、平成が終わりを迎えた月。一時代の終わりをイメージした色遣いの行灯を制作していきます。

先日は、竹と番線のみで形作る枠づくりの仕上げと、あかりを灯すための電球の取り付けを行いました。竹をしならせつつ番線できちんと固定しながら形作っていき、さらに電球が入ると行灯らしさが見えてきました。同じスペースで作業を行う「11月」チームの方が居合わせたため、共に4月・11月の制作を順番に進めていきました。一緒に作業をすることで自分の担当のみならず、ほかの行灯にも思いが増していく気分です。
次回は和紙貼りの工程。徐々に寒さが厳しくなる季節になってきました。体調に気を付けつつ、よぶねの完成までひと頑張りしていきます。


こよみのよぶね
2019/12/22
16:00~20:00
長良川右岸プロムナード 一帯

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